不眠を解消するために大切なことは何だと思いますか?
ストレスをなくすこと?日中たくさん動くこと?
いいえ、最も大切なことは生活習慣の改善なのです。
ではどのように改善すればよいかを説明していきます。
情報化社会がもたらす不眠
現代は情報化社会といわれます。
しかし、膨大な情報を取捨選択し、自分の人生に活かしていける人はわずか5%ほどです。
外から得た情報を活かしていくというのはなかなか難しいのです。
逆に多いのは、情報化社会に振り回されて不安に陥る人たち。
満足度の高い睡眠を得るためには、夜10時以降は携帯電話やパソコン、テレビなどの画面を見ないことが必要です。
しかし不安に駆られた人は、夜間に携帯電話やパソコン、テレビなどを使用し続けます。
現代人は1秒でも早く新しい情報を得たいと思い、通信機器を手放せないのです。
そうなると誰でも間違いなく不眠になります。
焦りの気持ちが不眠を引き起こすのです。
1日1回1時間の情報収集
これはある医師の話です。
10年ほど前はネット社会にどっぷりとつかっていました。
日進月歩といわれる医療の情報を、いち早く得なければ、医師として遅れてしまうと焦っていたのです。
そして日に何度もパソコンでインターネットの検索をしていました。
しかし、情報はどんどん新しく変わっていきます。
その情報収集に時間を割いているということは、結局は実生活での仕事がおろそかになるということ。
さらにネットサーフィンをすればするほど、逆に時代に取り残されるという不安を感じるようになったのです。
結果、この先生は情報をムダに追いかけるのをやめました。
日々変化する情報に追いつくことはないと分かったからです。
そしてインターネットを見るのは1日1回、1時間以内にするようにしました。
人生の質を高めるためには、時間を区切って活用した方が良いのです。
すると目の前の仕事に集中することもできますし、自分の生活や周囲の人たちを大切にできることに気が付きました。
その「1日1時間」と決めることが大切なのです。
ネットの中に入り込む人たち
最近はネットの中の世界での人との交流に夢中になる人が増えています。
例えば奥さんがゲーム「どうぶつの森」に夢中になり、実生活がおろそかになって、生活が成り立たなくなっている家庭など。
「どうぶつの森」というのは小型ゲーム機器ソフトの一つで、インターネットを使いその世界の中でコミュニケーションを楽しむゲームです。
このようなゲームで見知らぬ人との交流を行い、やめられなくなっている人が多くなっているのです。
他にもコミュニケーションツールとしては、ブログやフェイスブックなどがあります。
自分のページを更新することに夢中になる人々。
このようにインターネットの世界にはまりすぎると、時間に追われ、焦りがイライラへとかわっていきます。
これが不眠の原因の一つとなるのです。
インターネット関連を仕事にしている人は別ですが、趣味で行っている人は「1日1時間」と時間を決めることが大切です。
また、ネットの更新を夜にはやらないようにしましょう。
夜しか時間がない人は、休日に1時間だけ。
「1日1時間」「夜にはやらない」この2点を実践するだけで、不眠は確実に改善します。
そして質の良い睡眠を得ることができます。
深夜0時までには眠ること
良質な睡眠を得るためには、睡眠時間にこだわる必要はありません。
同じ6時間でも、深夜2時から朝8時まで眠るのと、夜11時から朝5時まで眠るのでは全く睡眠の質が違うからです。
6時間寝ているから同じだと考えてはいけません。
その日のうちに入眠するのと、日をまたいで入眠するのでは、熟睡感と睡眠の質はまるで違うのです。
睡眠によって人は心身を回復し、また体が病気と闘う力、免疫力を高めることができます。
それをしっかりと作用させるためには深夜0時までに寝なければならないのです。
東日本大震災以降、めまいを起こして救急車で運ばれてくる人。
その80%以上の人が深夜2時以降に就寝していたのです。
つまり自分では6時間寝ているから大丈夫だと思っても、脳は熟睡できていません。
知らず知らずのうちに無理をしてしまい、めまいという強烈な形でのSOSを発することになったのです。
睡眠前に夜食や美味しいもの食べてはダメ
睡眠の質を高めるために大切なものの一つは、夜の食事の内容。
就寝2時間前までに食事を終えることが望ましいです。
しかし、仕事が忙しくなかなか実践できない人も多いはず。
その場合は、夜は高エネルギー(カロリー)のものを食べないようにします。
高エネルギーのものは、腸をたくさん働かせます。
また、美味しいものは脳を興奮させます。
パンや甘い物、乳製品なども、脳を活動的にします。
つまり内臓も脳も活発に働きだしてしまい、寝付けなくなってしまうのです。
夜のひととき、ホッと心を落ち着けたい時間帯。
女性はついついチョコレートやケーキなどの甘いものを食べたくなります。
しかしうっかり口にすると大変。
脳が興奮し、睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌を妨げてしまうのです。
やむを得ず夜食を食べるときのおすすめはお茶漬け。
量はご飯茶碗に軽く一杯程度が良いでしょう。
消化が良く、エネルギー量も少ないので、腸や脳にあまり負担をかけません。
口寂しくて何かお菓子を食べたくなった時のおすすめはせんべい。
甘みが少なく低エネルギーですが、歯ごたえがあるため食べたという満足感を得ることができます。
眠る前のカフェインもダメ
寝る前に、コーヒー、紅茶、緑茶などのカフェインを含む飲み物はNGです。
カフェイン飲料を飲んでも眠れる、と豪語する人も多くいますが、それは無自覚なだけ。
実際はカフェインを含むものを飲むと、無意識のうちに脳は覚醒していて睡眠の質は下がっているのです。
夜に飲む飲み物でおすすめなのはほうじ茶。
玄米茶ならばノンカフェインにし、抹茶入りなどカフェインを含んでいるものは避けるようにしましょう。
市販のお茶もノンカフェインで。
最近はパッケージに明記されているので、分かりやすくなっています。
また、夜に冷たいものを飲むこともNG。
体を冷やすことで、安眠を妨げます。
睡眠前の寝酒もダメ
熟睡を得るためには、夜のお酒はほどほどにしましょう。
日本人は眠れないときに寝酒をする人が多いです。
疫学調査(地域や集団を対象として病気や健康などの原因を明らかにする調査)における不眠への対処法の結果は次のようになっています。
ポルトガルやオーストリアなどヨーロッパの国々の人は、50%以上が医療機関を受診。
日本で受診する人は約10%、「アルコールを飲む」はおよそ30%。
このアルコールに頼る人が30%というのは世界一の多さです。
しかし、眠れないとき、寝たいときに寝酒をすることは、最もよくない対処法なのです。
もちろんアルコールには鎮静効果や睡眠促進効果があるので、夕食時にほどほどに晩酌する程度なら大丈夫です。
ところが眠れないときの寝酒は、習慣化してくるとアルコールの量がどんどん増えていってしまうのです。
人間の体は順応性が高いので、前と同じ量では効かなくなってくるからです。
そしてここからアルコール依存症や、アルコールが原因のうつ病を引き起こすこともあります。
大量に飲むようになると、お酒は脳を興奮させますし、胃腸への負担も大きくなってしまい、結局は睡眠の邪魔をするようになります。
また、飲酒後3時間たつと、アルコールの血中濃度は低下します。すると脳は覚醒してしまうので、熟睡を妨げ、中途覚醒が起こってしまいます。
「飲まないと眠れない」「毎日お酒を飲むのが習慣化している」人は、すでにアルコールへの依存が始まっていると自覚することが必要です。
まずは寝酒に対する考え方を改めて、早い段階で医師に相談しましょう。
不眠症を改善する12の克服法を意識しよう!
- まず朝起きてすぐカーテンを開けて、日光を浴びる
- 休日の日でも平日と2時間以上ずれて起きないようにする
- 一日の活動の始まりは朝食から
- 昼寝をする場合は、午後3時までの10分~20分ほどにする
- 日々軽い運動をすることを習慣にする
- お茶やコーヒーは就寝4時間前までで終了
- 食事は就寝2時間前までにすませる
- 就寝1時間前でタバコはストップ
- お風呂は就寝1~2時間前にぬるめのお湯に入る
- 照明は明るすぎないのが良い
- 寝酒は禁物
- 就寝前の携帯電話、パソコン、テレビ、ゲームは厳禁
まとめ
どうでしょうか?
不眠につながる生活習慣を、うっかりやってしまっているかもしれませんね。
でも、簡単に改善できそうな習慣も多くありそうです。
きちんと眠れていると思っていても、脳や体は眠れてないこともあるので、生活習慣を整えてより良く眠っていきましょう。
不眠症を治したい方はこんな記事もおすすめです。↓