周りをみてみると、朝に強い人、夜に強い人は確かにいるなという印象があります。
そのような朝型人間と夜型人間の違いはどこにあるのでしょうか?
今回は、体温リズムと睡眠の関係に注目してその違いに迫ってみたいと思います。
夜型人間と朝型人間の違いは体温リズムにあった!
まず、夜型人間と朝型人間は体温リズムが違います。
ある研究結果によると、朝型の場合、1日の最高体温が17時で最低体温が午前1時に現れます。
これに比べると夜型では最高体温が21時、最低体温が午前6時と、4~5時間遅くなっています。
体温の違いはこれだけではありません。
夜の体温下降期と朝の体温上昇期に注目すると、朝型では17時以降急激に体温が低下していきますが、最低体温まで下がるとそこから急激に体温が上昇します。
このように夜は急激に体温が低下するため、夜は急激に眠くなり、夜更かしすることができません。
ところが朝は急激に体温が上昇するので、朝からとても元気です。
これに対して夜型では、朝型に比べると夜はゆっくりと体温が低下していきます。
急激な体温低下が起こらないので、夜更かしには強い体質だといえるでしょう。
しかし、朝も体温が緩やかに上昇していきますので、朝は覚醒レベルが上がりにくく、体調があまりよくありません。
夜型が朝に弱いといわれるゆえんです。
もう1つの違いは、最高体温と最低体温の差!
そしてもう1つ、朝型人間と夜型人間では体温に違いがあります。
それは最高体温と最低体温の差です。
朝型ではその差はおよそ0.7℃ですが、夜型ではおよそ0.4℃です。
このように、朝型では体温リズムにメリハリがあるので、生活リズムは乱れにくいのですが、夜型では体温リズムのメリハリが少ないため、生活リズムが乱れやすくなります。
夜型人間と朝型人間は「寝つき」にも違いがある
体温リズムに差があると、睡眠にも影響が現れます。
ある実験によると、朝型と夜型が21時に就寝すると、朝型人間が実際に寝つく時間が22時付近、夜型人間は午前0時付近でした。
夜型のほうが寝つくのに時間がかかっているわけです。
この時間は、おおよそ最高体温と最低体温の中間点付近になっています。
朝型では夜間に早く体温が低下するので就寝時刻や実際に入眠する時刻も早くなり、夜型では体温の低下する時刻が遅いので就寝時刻や入眠時刻も遅くなるのです。
一方、起床時間はというと、朝型でも夜型でも、どの時刻に寝てもほとんど同じ時刻に起床する結果となりました。
体温がある程度上昇すると、自然に目が覚めるからです。
したがって、早い時刻に就寝できると睡眠時間は長くなり、遅い時刻に就寝すると睡眠時間は短くなります。
夜型人間と朝型人間では睡眠の長さも違う!
さらに、夜型人間と朝型人間では睡眠時間にも差がありました。
朝型人間の方が睡眠時間が短く、夜型人間の方が長くなるという結果でした。
これは、朝型では体温低下と上昇が急激におこるので、早く眠っても早く目が覚めます。
夜型の場合は体温下降上昇が朝型に比べてゆっくりしているので、寝るのも遅いし起きるのも遅くなります。
そのため睡眠時間も長くなります。
覚醒レベルも体温と関係している。
人間は体温が高いと覚醒レベルが高く、体温が低いと覚醒レベルは低下します。
朝型の人の体温が一番高いのは17時付近、夜型は21時付近です。
この結果から夜型の人が夜に元気だという理由は説明できます。
ところが、朝型の人は夕方ではなく午前中のほうが元気だというのです。
朝型では、夕方以降急激に体温が低下して覚醒レベルが一気に低下しますので、夕方が元気であるとは考えないのです。
昼下がりも眠気が起こりますのでこれも元気とはいえません。
しかし、朝は体温が十分上昇で覚醒レベルも十分高まっていますので、以上を統合すると朝が一番元気ということになるわけです。
まとめ
体温の上昇下降と睡眠、覚醒レベル(元気さ)は密接な関係があったんですね。
朝が弱いなぁと思っている人は、生活リズムを整えてみたり、起床時に温かい飲み物など飲んでからだを温めてみたりするといつもよりシャキッとするかもしれません。
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