あなたの周りには、目覚ましがなくても時間通り起きられる人っていませんか?
また、普段起きられない人でも、明日は絶対寝坊できない用事があったりすると不思議と起きられたりしますよね?
そういう人・時はいつもと何が違うのでしょうか。
今回は研究の結果分かってきたことをご紹介したいと思います。
朝起きるぞという意識を持って寝るとホルモンの分泌に影響を及ぼす。
明日は起きるんだぞ!という意識を寝る前にもって寝ると、あるホルモンに影響を及ぼすことがわかっています。
目覚ましなどの外的な刺激が無い状態で、自分から目覚めることを自己覚醒(self-awakening)といいます。
このメカニズムはどのようなものかは詳しくは分かっていませんが、非常に興味深い実験があります。
ドイツのボルン博士らの研究では、以下の3つの条件付けをした被験者のコルチゾールを、経時的に測定しました。
コルチゾールは、覚醒時に上昇するホルモンです。
- 明日は朝6時に起こします、と言っておく(自己覚醒条件)
- 明日はいつまでも寝ていてもよいですよ、と言って6時に起こす(サプライズ条件)
- 明日はいつまでも寝ていてもよいですよ、と言っておく(寝坊条件)
その結果、①の自己覚醒条件では、予定起床時刻である6時に向けてだんだんとホルモンが上昇してきました。
それに比べ、②のサプライズ条件は、③の寝坊条件とホルモンの様子が変わりませんでした。
②の条件では、起こされて始めて、急激なホルモンの上昇が始まります。
自己覚醒の脳内メカニズムについて。
一方、以上のような自己覚醒の脳内メカニズムはどうなっているのでしょうか?
これは日本人の有竹清夏博士らの研究があります。
彼らは、近赤外線分光法という脳の血流を測定する装置を装着して、自己覚醒条件とサプライズ条件の2つの条件で、覚醒前に脳の血流がどのように変化するのか調べました。
その結果、自己覚醒に成功したケースでは、右の前頭前野に当たる部分での血流が、覚醒前から次第に上昇する様子が確認されたのです。
一方、自己覚醒に失敗したケースではそのような変化は見られませんでした。
つまり、右の前頭前野が、自己覚醒や睡眠中の時間間隔に関連した機能を持っているのではないかと推測されています。
自己覚醒は加齢によってできるようになる?
このような自己覚醒は、加齢によってできる人が増えてくると考えられています。
その理由は、加齢によって深い睡眠が減少し、中途覚醒が増えるため、睡眠中の時間間隔もより機能するようになるためではないかと考えられているからです。
まとめ
目覚まし時計がなくても起きたい時間に起きられるメカニズムは、脳やホルモンの働きが関係ありそうですね。
研究が進んで、誰でも起きたい時に気持ちよく起きられる日が来れば、夜寝るのもまた一段と楽しくなりそうです!
そんな未来を夢みて、また今日も明日のためにぐっすり寝ましょう!
ただ、やはり目覚まし時計は起床する時の必須アイテムです。
下記に目覚まし時計についてまとめた記事があるので、興味がある方はご覧ください。