疲れた体を癒すためにとても必要な睡眠。
この睡眠の天敵の一つに”冷え性”があります。
冷え性の人は、一年中”眠れない夜”に悩んでいます。
たとえば、暑くて暑くて仕方のない夏。
我慢できずにエアコンをいれる。
そうすると今度は手足が冷たくてなかなか寝付けない。
このような冷え性の症状をかかえているのは、女性にとても多くみられます。
今回は、なぜ冷え性は安眠できないのか。
そして、どうしたら冷え性でも安眠できるのかを調べてみました。
手や足を温める前に自律神経と睡眠の関係を知ろう
人は睡眠中に体温が低下していき、眠りにつけます。
この理屈でいけば、体が冷えている冷え性の人は寝つきがよくなると思いますよね?
実際はその逆です。
なぜでしょう・・・?
そこには、ポイントとなる2つの神経系の活動がありました。
副交感神経系は放熱を助けてくれる!
夜間睡眠中に体温が低下するのは、「体内のリズム・放熱・発汗」の3つの要因があります。
このうち、『放熱』が冷え性の人にとって、寝つきを悪くなる原因の一つになってます!
睡眠中に放熱が起きるためには、副交感神経系の活動が高まり、手足や顔などの抹消血管が拡張しなければなりません。
ところが、冷え性の人は抹消血管を縮小してしまうため、放熱を防いでしまいます。
手足の部分は冷たいかもしれませんが、その冷えによって、うまく全身の体温を放熱できない状態になっているのです。
交感神経系の活動が手足を冷たい状態に保ってしまう
交感神経系の活動が高まっている状態だと、手足が冷たいままになってしまいます。
交感神経系(こうかんしんけいけい、英: Sympathetic nervous system, SNS)は、自律神経系の一つ。「闘争と逃走の神経(英語ではFight and Flight)」などとも呼ばれるように、激しい活動を行っている時に活性化する。「交換神経」は誤字。
引用:ウィキペディア
どうしてかというと、交感神経が活発になると、現象の一つとして血管が収縮するんです。
起きている最中であれば、放熱を防ぐために必要不可欠な働きですが、睡眠中も交感神経系の活動が高まったままでは、眠れなくても仕方ありません。
冷え性の人がぐっすりと眠れるコツとは?
冷え性の人にとって、就床時や就床前に手足を温めることは睡眠のために重要なポイントです。
この『温める』というポイントも実行するタイミングやコツがあります。
方法はいたって簡単!
これらを覚えておくことで、より良い睡眠がきっととれるようになりますよ!
電気毛布や電気アンカはスイッチを切るタイミングが大切
寒い冬の夜、手足を温めるのであれば、湯たんぽや電気アンカ、電気毛布を使っている人が多いのではないでしょうか。
私もその一人です。
ただし、ここで注意が必要なのは、電気アンカや電気毛布を使用する場合には、
眠るときにスイッチを切ることです!
えっ!?寒くてムリムリ!って?
それはダメですよ~
布団の中を一晩中温め続けるということは、夏と同じ高温多湿状態を作ってしまうことになります。
これでは、逆に睡眠を妨害することになりかねません。
室温が3℃の寒い状況でも、毛布と羽毛布団を使えば、人間は正常な睡眠が保たれます。
なので、北国のような寒冷環境でなければ、就床時に電気アンカや電気毛布のスイッチを切っても大丈夫!
眠る前に布団の中をポカポカに温めておいて、寝るときにスイッチを切る。
そのほうが、火もとの心配や電気代にも優しいですよね。
冷え性の人がお風呂に入るタイミングとは?
就床前に手足を温める場合には、お風呂に入るのが一番手っ取り早い方法です。
ただし、お風呂を利用する場合にもタイミングが重要です!
入浴するタイミングによって、寝つきが良くなる場合もあれば、悪くなる場合もあります。
特に冬場であれば、体の芯まで温めようと、ついつい長湯してしまいます。
私の場合、半身浴で2時間なんていう日もたまにあります。
実はこのように何も考えずに入浴してしまうと、安眠できなくなってしまう可能性が!
入浴は、眠るまでの時間を意識して、入るタイミングを計算することが、手足が冷えて眠れない人には、ものすごく重要になってきます。
どういうことなのか?説明していきましょう。
就床直前のお風呂はササッと
就床直前にお風呂に入る場合には、ぬるま湯にサッとつかるぐらいでOK!
お湯を熱くしたり、長風呂したりするのは安眠のためにはNG行動になります。
先ほどもお伝えした通り、眠るためには体温低下が重要ポイント!
お風呂に入って体温が上がってしまうと、眠りにくくなってしまうんですね。
ですので、就床直前にお風呂に入る場合は、体の芯まで温めるのではなく、安眠のために手足の表面だけを温めるイメージでお風呂に入ることが重要です!
就床2時間前の長風呂はOK
長風呂や熱いお湯につかる場合は、就床1~2時間前くらいにお風呂から上がれるよう入るのが、安眠にはベスト!
入浴の有無に限らず、就床2時間前というのはまだ体温が高い状態です。
なので、この時間帯に体温を積極的に上げることにより、夜間睡眠中に体温が低下する3つの要因「発汗・放熱作用・体内のリズム」による効果が相まって、急激に体温の低下が進むことになります。
その結果、寝つきがとてもよくなるだけでなく、就床後すぐに深い眠りに入ることができます。
眠る2時間前に「温水シャワー・入浴・歩行・自転車」どれをすると熟睡できると思いますか?
少ししか体温が上昇しない「温水シャワー」と比較して、しっかりと体温を上昇させることのできる「入浴・歩行・自転車」のほうがより熟睡できることが分かっています。
ということは、2時間前までに、とことん体温あげればいいんだ!と思ったアナタ、ちょっとまって!
体温を39℃近くまで上昇させた場合、その後なかなか体温が下がらずに、2時間後も体温が高いままの状態に。
なんと、温めすぎは、睡眠を妨害してしまうことも分かったそうです。
体温が39℃って、即病院の大病状態です・・・。
つまり、何事もほどほどにということですね。
コタツで眠るのはNG
最後に、冬に足を温める方法としてコタツって即効性があってとても有効的に感じますよね。
足が温められるということは、副交感神経の活動が促されて抹消血管が拡張し、放熱も盛んに行われる。
つまり、寝つくのに最適の状態!!ということになります。
思わずコタツで寝てしまうというのには、ちゃんとした理由があったということですね。
ただし、コタツで寝てしまうのはNGです。
お母さんや奥様に怒られるからではありませんよ・・・
コタツは足を温め続けるので、眠っている間にも体温が上がり続け、目が覚めやすくなってしまっている状態です。
つまり熟睡できていないのです。
さらにコタツでは寝返りが打ちにくいことや、堅い床の上で寝ると接地面がうっ血するので余計に安眠が妨害されます。
なので、コタツは眠りをさそう魔法の家具ですが、決してそのまま眠ってしまわないように、注意が必要です!
まとめ
ということで、今回の記事を簡単にまとめると、
- 眠るためには体温の低下が必要
- 電気毛布や電気アンカ、湯たんぽは、眠る前に使う。眠るときは電源を切る。
- 眠るまで2時間以上ある場合は長風呂OK
- 体温の上げすぎは注意。39℃以上はダメ
- 眠る直前の入浴は、手足の表面を温める程度にする。
という感じです!
冷え性で悩んでいる人って、まわりに沢山います。
日中だけでなく、リラックスできる睡眠の時間まで悩みの種になってしまうって、とても辛いことだと思います。
冷え性は完治させることができないけれど、せめて快適な睡眠時間をおくることができるようにしたいですね。
「手足が冷えてしまうとなぜ眠りにくいのか」を知り、「温めるためにはどうしたらいいのか」について”コツ”と”タイミング”があるのだということを知れたのは快眠への第一歩ですね!