小さかった頃に比べて寝苦しい夜が多くなったと感じていませんか?
毎晩エアコンをつけていては光熱費もかさんでしまうし、何よりも朝、体がだるい…
クーラーに頼らずとも、体のリズムを理解して上手く活用した熱帯夜にも負けない睡眠法があるのです!
寝る前のちょっとした工夫で質の良い安眠が得られるなんて、試してみたいと思いませんか?
今回はそんな、熱帯夜でもすんなり眠るための夏の快眠方法を書いていきます!
そもそも熱帯夜とはなんなの?
一日の最低気温が25℃以上を越えてしまう夜のことをいいます。
昔は年に数えるほどだった熱帯夜も、昨今の温暖化に加え、コンクリートやアスファルトなど人工的な建造物が多い環境が相まって、夏の間はほぼ毎日熱帯夜という状況になってしまっています。
なにをもって快眠といえるのか?
どのような睡眠が快眠と呼べるのでしょうか?
長い睡眠時間をとれたのに、起きた時に体が重い…と感じたことがあるはず!
快眠とは時間だけの問題ではなく眠りの質もかかわっているのです。
眠りにはノンレム睡眠とレム睡眠があると聞いたことはないでしょうか?
ノンレム睡眠は入眠後すぐに訪れます。
ほとんど夢は見ず、体が深く深く眠りへ落ちていく睡眠です。
レム睡眠中は、夢を見ます。
すなわち脳が睡眠中も活動している状態を言うのです。
眠っていますが、脳が活動していることから、長時間眠っていても、レム睡眠が多いと起床しても気だるさが残ってしまう。ということなのです。
ですので、ノンレム睡眠とレム睡眠がバランスよく交互に訪れる睡眠状態が快眠の一つという事が言えます。
快適な睡眠には気温・湿度が大切!
高温多湿な環境では入眠が遅れてしまい、しかも夜中に体が覚醒してしまいます。
睡眠に理想的な温度として「中性温度」と呼ばれる温度があります。
それは寝具や着衣を身に着けない状態、すなわち裸で寝る場合には、29℃と言われています。
裸で眠った場合に室温は29℃よりも高くても低くても眠りの質は悪くなってしまう!ということです。
理想的な環境である室温29℃湿度50%で眠った場合、眠りについてから徐々に体温が下がっていくのです。
体温が徐々に下がるという事が、実は快眠にとってものすごく大事な事なのです。
なぜ体温を下げることが重要なんでしょう?
次はその解説になります。
快眠の鍵!体温を下げるメカニズム
質の良い睡眠を得るために良いペースで体温を下げる必要があります。
人間には睡眠中に体温を下げる生理的なメカニズムが3つあります。
1つめとして、「概日リズム」といいます。
体温には24時間のリズムがあります。
体温は18時-20時が最高となり午前3時-5時の最低体温に向けて下がって行きます。
ちょうどその中間の体温の時に眠り始め、最低体温になってから2、3時間で目が覚めるというリズムがあるのです。
2つめは「放熱現象」です。
言葉は難しいですが、赤ちゃんが眠くなった時に手足が温かくなるのを知っていますか?
それは大人も同じ原理で、眠くなると副交感神経の作用で顔や指先、足先の血管が広がるのです。
血管が広がることで体の熱が放熱されて体温が下がって行きます。
3つめは「睡眠中の汗」です。
一晩にコップ一杯の汗をかくと聞いたことはありませんか?
副交感神経の活動により発汗作用がおこり、体温を下げ、体をノンレム睡眠へシフトしていくのです。
しかし高温多湿の環境では汗をかいても汗が揮発できず、体温が下がらないのです。
それでは質の良い睡眠はできませんね。
夏の熱帯夜に体温を自然に下げるためのちょっとしたポイント
上記の事から快眠には体温を理想的に下げることが大事だと分かりました。
しかし熱帯夜に体温を下げるのは至難の業…。
そこで寝る前にひと工夫すれば、理想的な形で体温低下させることが出来るのです!
熱帯夜にただ窓を開けても外だって25℃以上ですよね。
だからといって窓を締切り、クーラーをつけ、扇風機を朝までまわす…
それでは体温が下がりすぎてしまい、起床時に体が気怠く疲れは取れません。
ポイントは「入眠」!
いかにスムーズに入眠できるかがポイントです!
①睡眠の2~3時間前にエアコンをつけておく
こんな経験ありませんか?
寝るときエアコンつけるのは体に悪いので、寝るときはエアコンを消す。
夜中に暑くなって起きてしまい、エアコンのタイマーを1時間にセットしてまた眠る。
また暑くなって、起きてしまい…。ということを何度も繰り返す夜…。
エアコンを付けると、部屋にある空気はすぐに冷えます。
ですが、すぐに止めてしまうと、壁や家具に蓄積されている熱ですぐに暖められてしまうのです。
ですので、家計にひびきますが、眠る2~3時間前にエアコンをつけて、空気だけではなく壁や家具、部屋全体を冷やす必要があります。
②扇風機を利用する
冷房が苦手という方もいると思います。
そんな方には扇風機がおススメです。
高温多湿の環境では扇風機を使い汗を揮発させることがポイントです。
室温32℃湿度80%の環境で、足元から扇風機で適度に送風すると、体温が下がりやすくなり、夜中目覚める回数も減ります。
送風しなかった場合にくらべて、睡眠効率(布団に入っていた時間のうち、実際に眠っていた時間の割合)も78.1%から95.5%に向上したというデータもあります。
しかし、体を冷やしすぎてしまうとかえって悪影響になってしまうので、タイマーを使ったり、風を体に直接当てないなど工夫をして、上手に使うと良いですね!
③冷却枕を使う
風邪で熱が出た時などに使用する水枕などを、夏の夜に利用してみましょう!
あまり冷たすぎるとかえって眠れなくなってしまったり、肩こりの症状が出てしまったりするので、タオルで巻いたりすることで適度に冷やされ、入眠時間が10分短縮されたといいます。
また、冷感素材の枕もおすすめです。
まとめ
そのほか、寝室に観葉植物を置くと室温が数℃下がります。
そして日中は直射日光が入らないように遮光カーテンを閉めておくなど、夜だけの対策ではなく、日中に熱が寝室にこもらないように対策することも、熱帯夜対策に非常に有効ですね。
今年もちゃんと訪れるであろう熱帯夜に向けて、自分に合った対策方法を組み合わせ、憂鬱な夏の夜を乗り越えましょう!